牡蠣の低温調理
冬といえば牡蠣。濃厚な旨みを最大限に引き出すために、低温調理を試してみたい方も多いのではないでしょうか。今回は、安全に美味しく牡蠣を楽しむための条件と、実際に作れるレシピをご紹介します。
生食用と加熱用の違い
牡蠣には「生食用」と「加熱用」がありますが、その違いは意外とシンプル。
- 生食用:菌のいない海域で育ち、さらに無菌状態に洗浄されて出荷
- 加熱用:菌のいる海域で育ったもの
生食用の洗浄方法は、産地によって異なります。塩素や次亜塩素系殺菌水を使う場合もありますが、最近は紫外線やオゾンで海水を無菌化し、牡蠣を8~12時間浸して内臓の不純物を吐き出させる方法が主流です。
低温調理で注意すべきリスク
Danger
- ノロウイルス
- 腸炎ビブリオ
- 貝毒
- アレルギー
このうち、加熱で対策できるのはノロウイルスと腸炎ビブリオです。
貝毒は加熱しても毒性が残るため、出荷時の検査で基準値を超えると出荷停止になります。アレルギーは個人差があるのでここでは除外します。
ノロウイルスと腸炎ビブリオの加熱条件
- ノロウイルス
厚生労働省の基準では「85℃で5分」。実験では70℃で検出不能になっています。 - 腸炎ビブリオ
60℃で10分で不活性化。
この条件を踏まえ、パスチャライズ(低温殺菌)は次のように設定しました。
Note
- 生食用:70℃で20分
- 加熱用:70℃で25分
レシピ:牡蠣のオイルコンフィ(低温調理)
材料(2人分)
- 生食用牡蠣:200g
- オリーブオイル:150ml
- ニンニク:1片(スライス)
- ローリエ:1枚
- 塩:小さじ1
- 黒こしょう:少々
- お好みで:タイムやローズマリー
作り方
- 下処理
牡蠣を軽く塩水で洗い、水気をしっかり拭き取る。 - オイル準備
鍋にオリーブオイル、ニンニク、ローリエ、ハーブを入れ、70℃まで加熱。
※温度計必須! - 低温調理
牡蠣をオイルに入れ、70℃で20分キープ。
(加熱用なら25分) - 仕上げ
粗熱を取って保存容器へ。オイルごと冷蔵庫で保存(約3日)。
美味しく食べるアイデア
- バゲットにのせて前菜に
- パスタに絡めて贅沢な一皿
- サラダのトッピングに
まとめ
- 冬の牡蠣は低温調理で旨みを引き出せる
- 安全性を確保するには、70℃で20分以上の加熱が目安
- 生食用を選ぶとより安心